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カビを考える②|神話のような名前ですね?カビの種類のいろいろ

カビについて考えるシリーズ「カビを考える」。
第2回目。今回は、「神話のような名前ですね?カビの種類のいろいろ」と題して、無数にあるカビの中からいくつかご紹介します。
私たちがよく見る「カビ」には、実は意外な(?)名前がありました。

カビって、そんな名前だったんですね?!

カビと一口に言っても、その種類は様々です。
私たちが耳にする「クロカビ」などは俗称であり、実はとてもカッコいい(?)正式名(学名)があります。


まるで古代神話の登場人物のような名前の数々…。

クラドスポリウム(Cladosporium)

クラドスポリウムは、最も身近に見かけるカビです。室内に浮遊して、浴室や、エアコンの吹き出し口・フィルターカーテンサッシなど室内の湿気の多いあらゆるところに付着して繁殖します。カビの菌糸が深く潜り込んでしまうために、こすってもなかなか除去できなかったり、喘息の原因となったり、厄介な存在です。こいつを目にして嫌な気持ちになった経験がみなさんきっとあるのではないでしょうか?

お家でよく見るカビ。これはいわゆるクロカビです。お風呂の壁に黒いカビを見つけたら、「あ!クラドスポリウム。嫌だわねぇ。」と言うことになります。

アルテルナリア(Alternaria)

アルテルナリアは、浴室シャワーカーテントイレ建物の壁ビニールクロスキッチンエアコン内部冷蔵庫など、これもクラドスポリウム同様いたるところにいるカビです。高湿度の環境を好み、プラスチックにも繁殖することができるために、エアコンのフィルターや吹き出し口などでもよく見かけます。また、自然界では、トマトやナスなど作物の病気に関わることがあります。

これはお分かりでしょうか。アルテルナリア、ススカビです。人間にとってもアレルギーの原因となるこれまた厄介な存在ですね。

ペニシリウム(Penicillium)

ペニシリウムは、食品などに繁殖するカビです。放っておいた餅や、みかん、食パンなどに見かけることも多いのではないでしょうか。人間にとって有害な種類がある一方、抗生物質のペニシリンチーズの製造に使われる種類もあるなど、我々にとって身近なカビであると言えます。

語感でピンときている方が多いと思います、これはアオカビです。ちなみに私が最初にペニシリンというものを知ったのが、村上もとかさんの漫画「JIN-仁-」や、ヴィジュアル系ロックバンドPENICILLINでした。

アスペルギルス(Alspergillus)

アスペルギルスは、乾燥した場所でも繁殖するカビです。ペニシリウム同様に食パンなどに見かけます。アスペルギルス症、カビ性肺炎などの原因となる非常に有害な種類がある一方、日本人の食生活とは切っては切れない種類もあります。アスペルギルスは、味噌醤油清酒焼酎甘酒などの製造に使われていることでよく知られています。

そうです、これはご存知コウジカビです。私たちは、このアスペルギルスのおかげで美味しいご飯を食べていることもあると思うと不思議な感じがします。

カビは学名がとてもカッコいい“生き物”

クラドスポリウムは黒カビの正式名称(学名)

ある日、子供が急にカビを学名で呼び出したらビックリします。

いかがでしたでしょうか。今回は、身の回りでよく見る4つのカビたちの名前をフューチャーして、それぞれのカビのことについてご紹介しましたが、他にもトリコデルマ(ツチアオカビ)、フザリウム(アカカビ)など多くの種類が存在します。クラドスポリウムアルテルナリアペニシリウムアスペルギルス。神話のような星座のような…。

私たちの生活とは切っても切れないカビ。
食品や医療の分野でうまく利用され役に立つカビもいますが、家に生えてしまうカビは空気中に漂いアレルギーや病気の原因となることもあるため、やはり定期的な清掃、カビを生やさない工夫が必要となってきます。
少しでもカビのあれこれに触れていただき、知ってもらうことで、毎日が少しヨクナルようにカビについて引き続き考えていきます。

次回は「恐ろしい…カビが引き起こす病気の数々…」について考えます。
お楽しみに。

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カビを考える①|カビって何だろう。